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1999 年度 実績報告書

共焦点レーザ顕微鏡を用いた不整脈心の細胞内カルシウム動態の解析と電気生理学的測定

研究課題

研究課題/領域番号 11670702
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

田中 秀央  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60236619)

研究分担者 高松 哲郎  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40154900)
キーワードカルシウム波 / 共焦点レーザ顕微鏡 / 不整脈 / ランゲンドルフ潅流心
研究概要

不整脈の発生機序を考える上で重要とされている心筋のカルシウム波(Ca波)が、生体位の心臓で如何なる動態を示すかを解明するために、ラットのランゲンドルフ潅流心を用いて、Ca波の発生様式と細胞間伝播様式を解析した。ラット潅流心をFluo-3/AMにて負荷した後、リアルタイム共焦点レーザ顕微鏡(30frames/s)を適用し、心電図記録下に心外膜直下心筋のCa動態を観察した(24-26゜C)。2mMCaの潅流時、心臓は頻度64±12bpmの洞調律を示し、Ca波は発生しなかった(n=13)が、房室伝導の遮断による心室静止下には、頻度3.8±2.4(mean±SD)/min/cell、速度83±18μm/sで細胞の長軸方向に伝播するCa波が観察された(n=147)。その発生頻度や伝播速度は潅流液のCa濃度(4-6mM,n=20)や電気刺激頻度(1-3Hz,n=4)の増加に伴って増加した。またこれらのCa波は隣接細胞へ殆ど伝播しなかった(伝播率5%以下)。これに対し、細胞内Ca濃度の高い部位(蛍光強度13%増)では、頻度46±32/min/cell、高伝播速度(114±33μm/s)のCa波が発生し(n=117)、しばしば隣接細胞へ伝播した(伝播率23%)。同様のCa波は微小電極刺入による傷害部でも観察された。さらに細胞内Ca濃度の高い部位(蛍光強度24%増)では、高頻度(133±65/min/cell)のCa波が観察されたが、細胞間の伝播はまれ(伝播率9%)であった。以上、本研究により、1)正常に機能している心臓においては、通常Ca波は殆ど発生しないこと、また2)傷害等によりCa過負荷におかれた領域では、Ca波が高頻度かつ広範に発生伝播し、興奮伝導に影響を及ぼすことにより、不整脈の発生源になる可能性のあることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 金子智行、田中秀央、小山田正人、高松哲郎: "バイオイメージングの最先端 潅流心におけるin situカルシウムイメージング"先端医療技術研究所. 5 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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