研究課題/領域番号 |
11670704
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
藤村 吉博 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80118033)
|
研究分担者 |
阪本 義晴 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (40291611)
朴 永東 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10285364)
|
キーワード | フォンビルブランド因子 / 血小板膜等蛋白Ib結合蛋白 / マムシギン / 胎盤ecto-ATPDase |
研究概要 |
日本産マムシ(Agkistr odon halys blomhoffii)毒腺より抽出した血小板膜糖蛋白質(GP)Ib結合蛋白質マムシギンは136のアミノ酸残基からなるaサブユニットと、123のアミノ酸残基からなるbサブユニットがSS結合したヘテロダイマーである。これら両サブユニットのcDNA構造を毒腺から作成したcDNAライブラリーを用いてクローニングし、それぞれアミノ酸残基21と23からなるプロシークエンスがアミノ末端側にあることが判明した。両成熟サブユニットのアミノ末端側にHistigine-Tagを導入し、バキュロウイルスで各々の蛋白発現実験を行なった。発現蛋白質は天然のヘテロダイマー型マムシギンに比し、20〜30倍高い終濃度で、リストセチン血小板凝集及びvon Willebrand因子依存性高ずり応力惹起血小板凝集を阻害した。現在より比活性の高い分子設計を行っている。 もう一つの胎盤ecto-ATPDaseについては、cDNAクローニングの結果より、アミノ酸残基517のEnzyme Iと、アミノ酸残基306のEnzyme IIの二種類が予測されている。胎盤より精製した酵素はEnzyme Iに一致しており、またEnzyme IIは可溶型酵素と考えられる。精製Enzyme Iに対しては、既に作成したMK33以外に、もう一つのマウスモノクローナル抗体を作成し、YH34と銘々した。なお、胎盤から精製した酵素に対する活性阻害能は、MK33とYH34は共に無い事を確認している。現在これら二つの抗体のエピトープ解析を行いつつ、酵素免疫測定法の確立を計り、可溶性酵素(Enzyme II)の存在を証明すべく、努力している。またEnzyme IIの遺伝子発現実験も平行して行う手筈になっている。
|