研究課題/領域番号 |
11670708
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
片桐 敬 昭和大学, 医学部, 教授 (90102293)
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研究分担者 |
木庭 新治 昭和大学, 医学部, 助手 (20276546)
鈴木 洋 昭和大学, 医学部, 助手 (90266106)
下司 映一 昭和大学, 医学部, 講師 (50192050)
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キーワード | ステント / 再狭窄 / 血管平滑筋細胞 / 血管内皮細胞 / 冠動脈インターベンション |
研究概要 |
血管平滑筋細胞(VSMC)の増殖と遊走が冠動脈インターベンション後の内膜肥厚の主要な原因と考えられている。ブタ冠動脈バルーン傷害後にステントを留置しVSMCの経時的変化を観察し、VSMC増殖に関するシグナル伝達機構のセカンドメッセンジャーの一つと考えられるプロテインキナーゼC(PKC)とその刺激によりリン酸化をひき起こす転写因子のcyclic AMP response element binding protein(CREB)の発現を検討した。ブタ冠動脈左前下行枝をバルーンカテーテルで傷害後2週後にPalmaz-Schatzステントを傷害部位に留置した。ステント植え込み後3日、7日、14日、28日後に傷害部を摘出し光顕、電顕的に経時的変化を観察した。さらに抗PKC抗体、抗phosphoCREB抗体を用いて免疫組織法およびウエスタンブロット法でPKC、CREB活性の変化を検討した。 光顕観察では3日目より新生内膜の増殖が始まり、7日目より内腔の狭小化が認められた。電顕観察では3日目より合成型が多数認められ、内腔側に収縮型平滑筋細胞、中腹側に合成型平滑筋細胞が主に認められた。14日目以降再び収縮型への形質変換が始まり、28日では内皮細胞の再生も認められた。また、ステント周囲にマクロファージと伴に好酸球の浸潤が認められた。PKC免疫陽性反応は3日、7日、14日の増殖部に一致して認められ、ウエスタンブロット法でもPKCと一致する80kDaのバンドを増殖部で強く認めた。抗phosphoCREB免疫反応は増殖部VSMCの核に一致して認められた。バルーン傷害後と同様に、ステント植え込み後にVSMC増殖は早期より始まり、その細胞内シグナル伝達機構においてPKCは核内に遺伝子発現の情報を伝達するkey factorであるとin vivoにおいても考えられた。
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