ラミニンBCN-1転写因子とSL-1転写制御因子に関する研究

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11670711
• 研究機関: 東京慈恵会医科大学
• 研究代表者: 鈴木 英明 東京慈恵会医科大学, 内科学講座第4, 講師 (70196856)
• キーワード: ラミニン / 転写因子 / プロモーター / クローニング / ルシフェラーゼ / プラスミド / イースト / ワンハイブリットシステム

研究概要

ラミニンは、高血圧症、心筋症、糖尿病において病的に増加し、組織の硬化を招く一要因として報告されている。本教室では、ラミニンB2鎖プロモーターの転写活性の調節に強く関与するbcn-1モチーフと、そこに結合する転写因子BCN-1の存在を見い出し、検討してきた。
そこで研究計画に従い、BCN-1転写因子をクローニングすることを目的に、イーストのワンハイブリッドシステムを用いてcDNAライブラリーのスクリーニングを施行し、数個の転写因子をコードするクローンを得た。うちTFE-3並びにRTEFをコードするcDNAクローンがラミニンプロモーターに結合し転写を活性化することが判明した(投稿中)。また、未報告の転写因子をコードするクローン(K46)を得たため、Genebankに登録した。K46は、HMG domainを持ち、ノーザンブロットでは、心筋内に強く発現していたため、心臓の発生分化に関与する遺伝子と考えている。今後、K46のマウスHomologyをクローニングすることを計画している。
以上、ラミニンB2鎖プロモーターの転写活性の調節に関与する転写因子のクローンを得た。

研究成果

• [文献書誌] Suzuki H, et al.: "Inducible transcriptional activity of bcn-1 element from laminin γ1-chain gene promoter in renal and nonrenal cells"Am. J. Physiol.. 275(44). F518 (1998)
• [文献書誌] Suzuki H, et al.: "Inducible transcriptional activity of the bcn-1 element from the laminin γ1 chain gene promoter in renal and non-renal cells"J. Am. Soc. Nephrol.. 9. F528A (1998)
• [文献書誌] Suzuki H, et al.: "Activation of a DNA-binding protein recognized by a transcriptinal element, bcn-1, from the laminin B2 chain gene promoter"J. Biol. Chem.. 271. 18981-18988 (1996)
• [文献書誌] Suzuki H, et al.: "Activation of BCN-1 protein by IL-1b and PMA in mesangial cells"J. Am. Soc. Nephrology.. 6(3). 841 (1995)
• [文献書誌] Suzuki H, et al.: "Treatment of glomerular epithelial and mesangial cells with IL-1B and PMA activastes proteins and bind to a motif from the laminin B2 chain promoter"J. Am. Soc, Nephrology.. 5(3). 820 (1994)