ラミニンは、高血圧症、心筋症、糖尿病において病的に増加し、組織の硬化を招く一要因として報告されている。本教室では、ラミニンB2鎖プロモーターの転写活性の調節に強く関与するbcn-1モチーフと、そこに結合する転写因子BCN-1の存在ならびに、転写を制御する因子SL-Aの存在を見い出し検討してきた。 そこで研究計画に従い、BCN-1転写因子のクローニングの完成ならびに、SL-A転写因子のクローニングを目的に、イーストのワンハイブリッドシステムを用いてcDNAライブラリーのスクリーニングを施行し、数個の転写因子をコードするクローンを得た。うちTFE-3並びにRTEFをコードするcDNAクローンがラミニンプロモーターに結合しTFE-3は転写を活性化、RTEFは転写を抑制することが判明した(投稿中)。また、未報告の転写因子をコードするクローン(K46)を得たため、Genebankに登録した。K46は、HMG domain、KLCCdomainを持つ転写因子構造を示し、ノーザンブロットでは、心筋内に強く発現していたため、心臓の発生分化に関与する遺伝子と考えている。 以上、ラミニンプロモーターの転写活性の調節制御に関与する転写因子のクローンを得た。
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