研究課題/領域番号 |
11670714
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
西川 俊郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50120019)
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研究分担者 |
増田 昭博 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60209434)
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キーワード | 拡張型心筋症 / 慢性心筋炎 / ラット / 病理組織学 / Fas-Fas ligand / Apoptosis / 浸潤リンパ球 |
研究概要 |
本年度は、実験的心筋炎(ミオシン投与による自己免疫性心筋炎)を惹起させたラットの心筋組織におけるFas、Fas ligandの発現および浸潤リンパ球のsubsetとの関連を免疫組織学的に検討し、さらにそのmRNAの発現について分子生物学的に検討を行なった。Lewis rat(7週令)にporcine myosinを注射し(これを0日とする)、第7日に再度注射し、心筋炎極期の第21日に麻酔下で屠殺し心臓を摘出して心筋組織の一部をそれぞれ凍結標本、ホルマリンならびにパラホルムアルデヒド固定標本およびグルタールアルデヒド固定標本(電顕標本)とした。HE染色標本では高度の心筋炎像が認められ、TUNEL法陽性像、電気泳動により抽出DNAの断片化(laddering)がみられた。電顕像ではapototic bodyが浸潤リンパ球に認められた。心筋組織をnorthern blot法により検討し、Fas mRNAの発現が認められ、また、in situ hybridization法により浸潤リンパ球にFas ligand mRNAの発現が確認された。免疫染色により炎症部位の心筋細胞にFas陽性所見が認められ、さらに浸潤リンパ球にはFas ligand陽性のものがみられた。二重染色によりFas ligandを発現するリンパ球はCD4陽性のものとCD8陽性のものが確認された。今後はラットに抗Fas抗体、抗Fas ligand抗体を投与し心筋組織の変化を比較検討する予定である。
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