研究課題/領域番号 |
11670716
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
新 博次 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90151068)
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研究分担者 |
小林 義典 日本医科大学, 医学部, 講師 (50178349)
安武 正弘 日本医科大学, 医学部, 講師 (70281433)
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キーワード | renin / aldosterone / angiotensin-I / angiotensin-II / ACE / AT1 blocker |
研究概要 |
心房性不整脈とrenin-angitensin系の関係を明らかにする目的にてACE、angiotensin I、angiotensin IIなどの各種体液性因子を測定した。平成12年度は初期に検討された一部の成績(対象の臨床的背景とrenin-angiotensin系)を報告する。対象は各種心疾患にて外来治療継続中の患者230例で内171例(74.3%)が高血圧を有していた。また、ACE阻害薬が使用されていたものは128例(55.6%)、AT1受容体遮断薬は43例(18.7%)であった。ACE阻害薬使用例では、非使用例(AT1受容体遮断薬を除く)と比しACEは低下し、renin活性、angiotensin-Iは増加傾向にあったが、anigiotensin-II、aldosteroneは不変であった。一方、AT1受容体遮断薬は、非使用例と比し、ACEは不変、renin活性を増加させ、angiotensin-I、IIの両者を増加させる傾向にあったがその程度はangiotensin-IIでより大であり、aldosteroneを低下させた。なお、被検者の年齢との関係につきみるとangiotensin-IIは年齢と正の相関を示す傾向にあった。限られた臨床的検討であるが、同様な病態に対し使用される薬剤ではあるが、AT1受容体遮断薬はACE阻害薬と比しaldosterone低下作用を有することが臨床的にも示唆され、心血管病変に対し好ましい効果が期待される。また、年齢とともにangiotensin-IIが増加する傾向をみたことは高齢者においてAT1受容体遮断薬が選択すべきことが示唆された。今後、心房性不整脈との関連性につき検討を継続する。
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