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2001 年度 実績報告書

塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の心筋梗塞血管新生作用に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670719
研究機関近畿大学

研究代表者

石川 欽司  近畿大学, 医学部, 教授 (10088536)

研究分担者 宮高 昌  近畿大学, 医学部, 助手 (40309282)
木村 彰男  近畿大学, 医学部, 講師 (80309278)
キーワード塩基性線維芽細胞増殖因子 / 血管新生療法 / 局所心筋血流量 / 急性心筋梗塞 / 心筋salvage / 心筋viability / 梗塞サイズ
研究概要

塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor : bFGF)は強力な血管新生作用を有する成長因子の代表である。Yanagisawa-MiwaらによりbFGFが犬の急性心筋梗塞に投与すると新生血管が増加し、心筋salvageが生ずると報告された。我々の成績では、犬において局所心筋血流量は増加し梗塞サイズは縮小した。兎では梗塞周辺部に同様の効果があった。ラットではそのような効果がなかった。bFGFによる急性冠閉塞に伴う梗塞縮小効果は、動物の種族により差があり、この効果のあるものではその作用機序は血管新生作用によるものではなく、何らかの心筋保護効果が考えられる。
【目的】虚血心筋での高エネルギーリン酸代謝がbFGFにより心筋細胞保護をもたらすと仮定し、この仮定が正しいかを^<31>p-NMRを用いて検討した。
【方法】兎ランゲンドルフ定圧灌流心モデルを用い、bFGF100μg(0.1ml)、コントロールとしてはvehicle0.1mlを灌流液内に注入し、20分間の全虚血とした。1秒の繰り返し150回の積算条件を用い、^<31>p-NMRスペクトラムから、ATP, PCr, Piのシグナルを測定した。
【結果】全虚血20分後の再潅流時の%ATP、%pCr、%PiをbFGF群とコントロール群で比較した結果、それそれbFGFで56.2±15.5(±SD)、87.7±8.9、15.5.5±41.8%で、コントロール群のそれぞれ27.0±16.5、79.5±23.2、204.6±69.2%と有意にbFGF群でATPが高く保たれていた。
【総括】bFGFは心筋虚血時ATPレベルを高値に保ち虚血による心筋障害を抑制する可能性があると考えられた。この効果が犬や兎でみられた心筋梗塞サイズ縮小をもたらしていると考えられた。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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