研究課題/領域番号 |
11670722
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
松本 高宏 久留米大学, 医学部, 助教授 (20219504)
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研究分担者 |
池田 久雄 久留米大学, 医学部, 助教授 (50168134)
上野 高史 久留米大学, 医学部, 講師 (90184952)
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キーワード | ロータブレーター / 冠微小循環障害 / アデノシン / 血小板 |
研究概要 |
研究の目的 アデノシンはballoon angioplasty中の胸痛と関連することは明らかとなっている。本研究の目的は、ロータブレーター(PTCRA)に伴う合併症にもアデノシンが関与していることを明らかにしPTCRAの冠微小循環障害の機序を解明することにより、その予防方法を開発することである。対象:PTCRAを施行する安定狭心症20症例を対象とした。結果:1)PTCRAに伴う胸痛、徐脈に対するアミノフィリンの効果:アミノフィリン群(n=10)はPTCRA施行前に5mg/kgを5分間で静脈内投与した。対照群(n=10)には生理食塩水を同様の時間で投与した。2群間でST上昇の程度、血行動態の変化には差がなかった。対照群では5例に遷延する胸痛、4例に徐脈の出現を認めた。アミノフィリン群では全例で胸痛、徐脈は生じなかった。2)冠微小循環機能の評価:PTCRA施行前および直後にドプラーフローワイヤーおよび圧ワイヤーを対象冠動脈に挿入し冠血流速度および冠内圧が測定可能だった症例で検討した。対照群では冠血流速度は低下する傾向がみられたが冠内圧の低下はみられなかった。アミノフィリン群では冠血流速度および冠内圧とも低下はみられなかった。3)nicorandilによる冠微小循環保護効果:冠微小循環保護効果を有するnicorandil(2mg)をPTCRA施行前に冠動脈内投与した症例では胸痛および冠血流速度の低下がみられた。4)冠動脈内血小板活性化の評価:対象冠動脈の末梢から採取した血液中の血小板活性化の指標であるP-selectinは、PTCRA施行前に比較し直後には高値を示した。考察:PTCRA施行時には対象冠動脈内で血小板活性化が生じ、それがPTCRAに伴う冠微小循環障害の一因となっている可能性が示唆された。nicorandilはPTCRAに伴う冠微小循環障害の予防には必ずしも十分ではないと考えられる。
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