研究課題/領域番号 |
11670727
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
中島 康秀 産業医科大学, 医学部, 教授 (20038780)
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研究分担者 |
田中 弘 産業医科大学, 医学部, 講師 (30269055)
岡崎 正博 産業医科大学, 医学部, 講師 (40233316)
太崎 博美 産業医科大学, 医学部, 助教授 (60216950)
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キーワード | プロフィリン / ラット / thy-1腎炎 / 糸球体 / 免疫電顕 / レセプター / メサンギウム / bFGF |
研究概要 |
プロフィリンが各種疾患の病態生理にどのように関わっているかを検討するため、ヒトのメサンギウム増殖性腎炎のモデルであるラットThy-1腎炎を作成し、メサンギウム細胞増殖期に一致し単離糸球体でプロフィリンのmRNAと蛋白の著明な発現亢進を認め、糸球体での局在を調べるため免疫組織染色と免疫電顕を行ったところ、主にメサンギウム細胞での発現が中心であった。そのため培養ラットメサンギウム細胞においてプロフィリンの発現を誘導する因子の検索を行い、bFGFが特異的にプロフィリンmRNAと蛋白の発現を刺激することが判明した。逆にプロフィリンの発現をアンチセンスで抑制するとメサンギウム細胞の増殖が抑制されたことから、プロフィリンはThy-1腎炎で発現が亢進し、細胞増殖促進作用を介して腎炎の進展に影響を与えていることが推測された(J Am Soc Nephrol,in press-1)。これまでプロフィリンは細胞内にのみ存在すると考えられていたが、今回の研究でThy-1腎炎初期のメサンギウム融解により細胞から遊離沈着したと思われるプロフィリンが細胞外基質にも存在していることが免疫電顕で確認された。このような細胞外に存在するプロフィリンの生理的な意義を研究するためリコンビナントプロフィリンを作成し、培養ラットメサンギウム細胞を用いて細胞表面にプロフィリンに対するレセプターが存在するかどうかをScatchard analysisで検討したところ、これまで知られていない新しいプロフィリンレセプターが少なくとも一種類存在することが判明した(J Am Soc Nephrol、in press-2)。以上より、プロフィリンにはこれまで考えられていた細胞内でのアクチンの重合・解離の調節作用や細胞内シグナル伝達への影響に加えて、細胞外にも特定の病態下で存在し、細胞表面のプロフィリンレセプターを介し細胞内にシグナル伝達を引き起こすことが明らかになってきた。
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