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1999 年度 実績報告書

交感神経活動の直接記録による心不全での突然死における交感神経の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11670730
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

高木 洋  国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (60216629)

研究分担者 川田 徹  国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室員 (30243752)
キーワード筋交感神経活動 / 心不全 / 突然死 / 動脈圧受容器反射 / 心電図 / QT時間
研究概要

慢性心不全の進展と交感神経系やカテコールアミン分泌系などの液性因子との関連が注目を集めているが、特に交感神経系は致死的不整脈発生のトリガーとなっている可能性もある。本研究では、1)心不全患者における交感神経活動の異常亢進に動脈圧受容器反射および心肺圧受容器反射が果たす役割、2)心不全患者の致死的不整脈発生に交感神経系が果たす役割を明らかにすることを目的とする。本年度は健常人を対象に、1)ヒトにおける動脈圧受容器反射の評価法、および、2)交感神経活動が心室再分極過程に及ぼす影響を直接作用と心拍変動を介する間接作用に分離して評価する方法を確立した。
【方法】健常人において不規則な下半身陰圧負荷を行いながら血圧・心電図・微小神経電図法による筋交感神経活動を記録した。1)血圧と筋交感神経活動の関係から動脈圧受容器反射の中枢弓と末梢弓の動特性を推定した。2)心拍数・心電図QT時間と筋交感神経活動の関係から突然の交感神経緊張がQT時間に及ぼす影響を推定した。
【結果】1)動脈圧受容器反射の中枢弓伝達特性は1次の高域通過型フィルターを示し、その折点周波数は0.21±0.12Hzと推定された。末梢弓の伝達特性は2次の低域通過型フィルターを示し、その固有周波数は0.28±0.21Hz、減衰係数は0.95±0.42と推定された。total loopの定常ゲインは1.25±0.55と推定された。2)突然の交感神経緊張により、初期にQT時間は一過性に延長し、その後徐々に短縮した。これらの結果は、動物実験で得られた結果とよく一致していた。
【結論】ヒトにおいても、交感神経の直接記録を利用して、動脈圧受容器反射の動特性および交感神経が心室再分極時間に及ぼす影響を評価することができる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 稲垣正司: "交感神経活動および心拍変動によるQT時間の修飾-微小神経電図法による筋交感神経活動記録を用いた検討-"心臓. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 稲垣正司: "筋交感神経活動記録を用いた動脈圧受容器反射の評価:下半身陰圧負荷による検討"心臓. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] Takaki H: "Exercise-Induced ORS Prolongation in Patients With Mild Coronary Artery Disease"J Electrocardiology. 32. 206-211 (2000)

  • [文献書誌] Chen SL: "Dynamic counterbalance between direct and indirect vagal controls of atrioventricular conduction in cats"Am J Physiol. 277. H2129-H2135 (1999)

  • [文献書誌] 杉町勝: "システム制御理論に基づく動脈圧反射系の定量同定"循環器科. 46・5. 446-452 (1999)

  • [文献書誌] 稲垣正司: "筋交感神経活動(MSNA)記録を用いた動脈圧受容器反射の検討"第14回生体・生理工学シンポジウム論文集. 451-452 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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