• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

生体磁気学的手法を用いた小児脳の可塑性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670735
研究機関東北大学

研究代表者

飯沼 一宇  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004927)

研究分担者 中里 信和  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80207753)
横山 浩之  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (40271952)
萩野谷 和裕  東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00208414)
キーワード脳の代償機能 / 皮質形成異常 / MEG / SEF / てんかん波検出
研究概要

脳に受けた損傷が回復を示す、あるいは本来ある脳の領域が持つ機能が異なる機能を持つようになることを脳の可塑性といい、可塑性は幼弱であればあるほどその能力は旺盛であるといわれている。本研究は、幼小児期に受けた損傷あるいは先天性の脳形成異常の症例において、どのような機能を持ち、本来の領域以外の部位で機能を営んでいるかどうかを検討することである。このために、大脳半球の電気的活動をより精緻に捉えることが可能なMEGを用いて以下のような症例にその機能分布について検討した。
focal cortical dysplasia2例、band heterotopia2例、hemimegalencephaly1例、periventricular heterotopia1例、その他の脳回異常3例と、片麻痺を主訴とするhemisphericcortical dysplasia2例を対象とし、全頭型脳磁計を用いて正中神経電気刺激による体性感覚誘発磁界(SEFs)を測定し、N20m反応の潜時、信号源位置、方向を求めた。その結果、11例中6例で中心溝近傍で皮質形成異常、脳回パターンの異常を認めたが、SEFs信号源の推定により中心溝が同定できた。このうち4例においてN20mの潜時、振幅、電流方向の異常が認められた。電流方向の異常が認められたことは、皮質脳回が形成されるにあたって、電気的に通常の脳回の方向ではなく、異なった細胞構築がなされ、歪んだ脳回が形成され、その結果電流方向がさまざまな様式を示すと考えられた。形成異常皮質には形態の多様性に加えて、電気生理学的な機能異常も多様であり、その背景に脳形成時の脳回の歪みが存在するのではないかと考えられた。
大脳半球の容積が減少し、脳回脳溝パターンの異常を示す疾患群のうち半球性皮質形成異常に対して、脳磁図解析によりてんかん性突発波の信号源推定を行った。2例では突発波は患側半球に限局しており、皮質形成異常のてんかん源性が示唆された。1例では突発波信号源は健側半球にも推定された。脳波では検出できない突発波を脳磁図で記録できたことより、脳磁図は空間分解能や感度に優れると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ishitobi M,Nakasato N,Inoue T,Ohnuma A,Kanno A,Iinuma K.Yoshimoto T: "Recent Advances in Biomagnetism (Tohoku University Press, Sendai)"Residual Function Detected by MEG and Functional MRI in Abnormally Thin Cortex Caused by a Lanrge Congenital Brain Cyst. 454-457 (1999)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi