研究課題/領域番号 |
11670736
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松原 洋一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00209602)
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研究分担者 |
鈴木 洋一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80216457)
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10205221)
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キーワード | フェニルケトン尿症 / モデル動物 / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / キメラオリゴヌクレオチド |
研究概要 |
重篤な知能障害をひきおこす先天性アミノ酸代謝異常症の代表的な疾患である、フェニルケトン尿症(phenylketo nuria:PKU)に対する遺伝子治療法を確立することを目的として、本研究を行った。本研究課題の採択は平成11年10月下旬に通知され、報告書作成までの時間的制約がおおきいため、予定されていた当該年度の研究計画のうち、DNA/RNAキメラオリゴヌクレオチドによる相同組換えを中心に検討を行った。フェニルアラニン水酸化酵素遺伝子の異常が明らかにされているPKU患者の皮膚線維芽細胞株を用い、遺伝子変異を正常塩基配列に置き換えるようなDNA/RNAキメラオリゴヌクレオチドを作成して、リポフェクション法およびPEI法によって細胞内へ導入した。遺伝子導入後、細胞からゲノムDNAを抽出し、制限酵素消化法および直接シークエンス法によって解析したが、相同組換えを検出することはできなかった。今後、オリゴヌクレオチドのデザインや遺伝子導入法をさらに検討する必要があると考えられた。一方、遺伝子導入によって組織内へ導入された外来遺伝子や組換えウイルスを正確に定量することが、今後の研究にとって不可欠であるため、TaqMan-PCR法を用いた定量法を確立した。この方法では、10の6乗のオーダーにわたって直線性があることや、PCR後の検体処理が不要なため、操作が簡便なだけではなく、交差汚染を未然に防ぐことができること、様々なベクターに応用できる汎用性があることなどの利点を有しており、優れた方法であると考えられた。
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