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2000 年度 実績報告書

フェニルケトン尿症に対する遺伝子治療の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670736
研究機関東北大学

研究代表者

松原 洋一  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00209602)

研究分担者 鈴木 洋一  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80216457)
呉 繁夫  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10205221)
キーワードフェニルケトン尿症 / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / 胎児治療
研究概要

本年度は、遺伝子治療研究において不可欠な、組織内における組換えアデノウイルス粒子の定量法をTaqMan-PCR法を用いて確立した。つぎに、妊娠マウスおよび妊娠モルモットに対しアデノウイルスベクターを用いて胎仔への遺伝子導入を試み、各組織内における外来遺伝子の発現を測定した(Mol.Genet.Metab.69:269-276,2000)。測定には、TaqMan-PCR法およびβガラクトシダーゼの活性染色を用いた。羊水中や胎盤内への投与では実質臓器への遺伝子導入はごくわずかであったが、臍帯静脈を直視下に穿刺して組換えアデノウイルスを投与することにより、効率的な遺伝子導入と外来遺伝子の発現が観察された。最大の発現が観察された臓器は肝臓であったが、これは、臍帯静脈が直接肝臓へ流入するという解剖学的な特徴に加えて、ウイルスそのものの肝臓への高い親和性によるものと考えられた。また、副腎組織においてかなりの遺伝子発現が認められたことは、これまでの成獣を用いた実験では報告されておらず、注目される。ヒトにおける超音波ガイド下での臍帯静脈穿刺は、臨床的にはすでに確立された手技であることから、将来のヒト胎児遺伝子治療にはこの投与ルートが有用であると考えられた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Senoo M, et al.: "Adenovirus-mediated in utero gene transfer in mice and guinea pigs."Mol.Genet.Metab.. 69. 269-270 (2000)

  • [文献書誌] Fujii K, et al.: "Mutation detection by TaqMan-allele specific amplification."Hum.Mutat.. 15. 189-196 (2000)

  • [文献書誌] Kudo T, et al.: "Novel mutations in the connexin 26 gene responsible for childhood deafness in the Japanese population. "Am.J.Med.Genet.. 90. 141-145 (2000)

  • [文献書誌] Akanuma J, et al.: "Molecular diagnosis of 51 Japanese patients with GSDIa."Am.J.Med.Genet.. 91. 107-112 (2000)

  • [文献書誌] 松原洋一,呉繁夫: "フェニルケトン尿症"小児科診療. 63. 1317-1320 (2000)

  • [文献書誌] 松原洋一: "先天代謝異常症に対する遺伝子治療"医学のあゆみ. 195. 915-917 (2000)

  • [文献書誌] 松原洋一 他(共著): "今日の小児治療指針(第12版)"医学書院. 742 (2000)

  • [文献書誌] 松原洋一 他(共著): "新女性医学大系 第28巻 遺伝の基礎と臨床"中山書店. 461 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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