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2001 年度 実績報告書

急性脳症・ライ様症候群の原因疾患としてのカルニチン・サイクル異常症に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670739
研究機関千葉大学

研究代表者

金澤 正樹  千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (50322764)

研究分担者 山本 重則  国立療養所下志津病院, 臨床研究部, 生化学研究室長 (30241970)
寺井 勝  千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (80207472)
キーワードcarnitine / acute encephalopathy / carnitine cycle / Reye-like syndrome / CPTI / CPTII / rhabdomyolysis
研究概要

低ケトン性低血糖症のエピソードを繰り返したり、急性脳症やライ症候群の病像を呈し、全身型カルニチン・サイクル異常症が疑われた患者について、血液、尿、細胞などの検体を各施設から同意を得た上で送ってもらい、当方で確立した血中・尿中のアミノ酸分析、血中・尿中のカルニチン・アシルカルニチン分析、血中・尿中の有機酸分析を組み合わせて化学診断を行った。酵素学的に検討を要する症例に、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI(CPTI)、カルニチン・アシルカルニチンキャリアー(CAC)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼII(CPTII)の酵素学的な解析を行った。酵素学的に診断が確定しない症例については遺伝子解析を行った。
肝型CPTI欠損症の4症例について遺伝子変異を同定した。変異遺伝子の分子学的解析を行う目的で、患者の線維芽細胞をSV40でトランスフォームし、セルラインを樹立した。その細胞に目的の変異遺伝子を導入する実験系を確立した。RNAとタンパクそして酵素活性の検討を行い、各々の変異が病因であることを明らかにした。このセルラインはCPTIに関してバックグランドがなく、分子学的解析に有用であった。この結果を現在、Journal of Human Genetics誌に投稿中である。
低血糖症を主訴に精査となり、血中アシルカルニチン分析で、CAC欠損症が疑われた症例について、CACの遺伝子解析を行った。その結果、CACの翻訳領域に遺伝子変異を認めなかった。
成人の労作性横紋筋融解症2例について、生化学的、酵素学的に検討し、CPTIIが疑われた。患者のEBウイルスでトランスフォームしたリンパ芽球と線維芽細胞でCPTIIの活性を測定した。両者とも酵素活性の低下を認め、CPTII欠損症と診断した。
以上の結果を各施設に報告し、当該施設での治療に協力し、患者の予後の向上に寄与した。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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