研究課題/領域番号 |
11670743
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
斉藤 真木子 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (20225733)
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研究分担者 |
久保田 雅也 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90251272)
岩森 正男 近畿大学, 理工学部, 教授 (90110022)
榊原 洋一 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (10143463)
市堰 浩 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (20282650)
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キーワード | Zellweger症候群 / Pex5 / Pex2 / ZP102細胞 / グルコシルセラミド |
研究概要 |
Zellweger症候群をはじめとするペルオキシゾーム病ではペルオキシゾームが形成されないために様々な生化学的異常を呈するが、病態との関連は未だ解明されていない。細胞レベルのモデルであるCHO変異株ZP102細胞を用いて脂質代謝変化を対照となるCHO-K1細胞と比較検討した。ZP102細胞では糖脂質のうちグルコシルセラミドが著明に増加しており以前解析したZ65細胞での結果と一致した。また、中世脂質のTLCにおいて対照のCHO-K1細胞に認められる分画の一つがZP102細胞では認められないこともZ65細胞と同様の結果となった。さらにZP102細胞では遊離脂肪酸増加とトリアシルグリセロールの減少も明らかとなった。その他の中性脂質であるコレステロールや、リン脂質の含有量は対照と変化は認められなかった。Z65細胞はPex2遺伝子変異を有し、ZP102細胞はPex5遺伝子変異を有している。従来、ペルオキシゾーム病における脂質代謝障害は極長鎖脂肪酸増加に重点が置かれてきたが、今回、遺伝子変異の背景の異なるペルオキシゾーム欠損細胞で同様な糖脂質代謝変化を生じていることが示された。糖脂質は細胞間シグナル伝達や細胞の分化・増殖・アポトーシスに関与することが知られており、ペルオキシゾーム病におけるさまざまな臓器の形成傷害に糖脂質代謝変化が関与している可能性が考えられる。
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