Msx1欠損、Msx2欠損、およびMsx1・Msx2欠損細胞株を継代培養を25-35回繰り返すことにより樹立した。未分化間葉系細胞株は胎生14.5日のMsx1ノックアウトマウス、Msx2ノックアウトマウス、およびMsx1・Msx2ダブルノックアウトマウス体幹から、骨芽細胞様細胞株は胎生18.5日のMsx1ノックアウトマウス、Msx2ノックアウトマウスの頭蓋骨および胎生14.5日のMsx1・Msx2ダブルノックアウトマウス下顎由来である。各々のALP活性、parathyroid hormone(PTH)応答性cAMP産生量を調べた。未分化な間葉系細胞株C3H10T1/2および骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1にBMP-2を添加して培養し、骨芽細胞に分化するまでのMsx1およびMsx2の発現量の変化をNorthern blotにより調べたが、これらの細胞株ではMsx1およびMsx2はすでに発現しており、BMP-2添加しても発現の増加は認められなかった。Msx1欠損、Msx2欠損、およびMsx1・Msx2欠損の間葉系細胞株および骨芽細胞様細胞株にBMP-2を添加して培養し、骨芽細胞への分化能を調べたが、いずれの細胞株でもコントロールに比較して分化能が低下していた。野生型細胞株(C3H10T1/2およびMC3T3-E1)にMsx1、Msx2を過剰発現させたが、骨芽細胞へ分化誘導されなかった。Msx1欠損、Msx2欠損、およびMsx1・Msx2欠損株にMsx1、Msx2を過剰発現させてBMP-2を添加すると骨芽細胞への分化能が回復した。Msx1、Msx2蛋白とSox9蛋白の結合性を酵母のtwo-hybrid system法により調べたが、結合性は認められなかった。
|