研究課題/領域番号 |
11670752
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
久保田 健夫 国立精神・神経センター, 疾病研究第2部, 室長 (70293511)
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研究分担者 |
上松 一永 信州大学, 大学院・医学研究科・移植免疫感染症, 講師 (60262721)
福嶋 義光 信州大学, 医学部・衛生学, 教授 (70273084)
後藤 雄一 国立精神・神経センター, 疾病研究第2部, 部長 (20225668)
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キーワード | X染色体 / 不活化 / メチル化 / 保因者診断 / メチル化特異的PCR / アンドロゲン受容体遺伝子 / BFL症候群 / HUMARA遺伝子 |
研究概要 |
申請者らが近年開発したメチル化特異的PCR(M-PCR)技術(Kubota et al.Nat Genet1997)を用いてX染色体不活化の解析法(XM-PCR法)を開発し、さまざまな症例の研究への有用性を実証した.まず方法の開発として、活性Xと不活化Xの違いをX染色体上のアンドロゲン受容体遺伝子のプロモーター領域のメチル化の差異で区別することを考えた.メチル化の差異をDNAをSodium Bisulfiteで処理することにより塩基配列の差異に変換し、それぞれの配列に特異的なプライマーでPCR増幅を行い区別した.ついで、インフォームドコンセントを得て採取された正常女性サンプルを用いてX不活化パターンの分布を調べ、ほとんどの女性がランダムである正規分布を呈することを示した.さらに従来の染色体解析法により著しく歪んだ不活化パターンを呈した患者において、XM-PCR法によっても歪んだパターンが得られることを実証した(Hum Genet1999). 以上の予備実験を経て確立されたXM-PCR法を用いて、1)デュシェンヌ型筋ジストロフィー症の女性発症者は著しく歪んだ不活化パターンを呈すること(小児神経学会1999)、2)ベージェソン・フォスマン.レーマン症候群の女性発症者は著しく歪んだ不活化パターンを呈することとその知見等からX連鎖劣性遺伝形式が示唆されてこと(Am J Med Genet1999),3)ターナー症候群女性において環状X染色体を伴いかつそれが不活化不全を起こした時に重篤な知能障害を合併すること(アメリカ人類遺伝学会2000)、3)3番;X染色体不均衡転座症例において発達遅滞の原因が部分的な機能性ダイソミーによること(未発表データ)を、それぞれ明らかにした.
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