研究課題/領域番号 |
11670762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
岡 明 鳥取大学, 医学部, 助教授 (00251273)
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研究分担者 |
難波 英二 鳥取大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40237631)
赤星 進二郎 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (90231810)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | Ataxia-telangiectasia / 毛細血管拡張性運動失調症 / Louis-Bar症候群 / ATM / DNA-PKcs / Ku / DNA二重鎖損傷 / 神経細胞死 |
研究概要 |
Ataxia-telangiectasia(AT)はATM蛋白の異常による疾患で、小脳皮質神経細胞の変性・脱落による小脳失調を呈する。我々はATにおける神経細胞死の機序を検討し、以下の3点について新たな知見を得た。 (1)ヒト中枢神経系におけるATM蛋白の分布は、AT患者剖検脳においてこれまで報告されてきた小脳および脳幹の病変の分布に対応していた。従って、こうした部位にてATMが何らかの機能を有し、その欠損によって小脳皮質を含む病変が生じると考えられる。 (2)ATM蛋白は細胞質のペルオキシゾームに分布しており、そこに存在するカタラーゼなどの酵素の異常がATにおいて生じる可能性がある。カタラーゼ等のペルオキシゾームに関連した蛋白の発現は、AT患者由来の線維芽細胞においては対照に比して差異が認められ、酸化障害などを生じる可能性が示唆された。神経細胞については、現在培養細胞にて検討中である。また、膜脂質中の酸化脂質などについても検討中である。 (3)DNA-PKcs、Ku、NBS1、ATRなどの蛋白とともに、ATM蛋白は二重鎖DNA損傷(DSB)の修復に機能することが明らかにされている。ATM蛋白は胎児期にヒト小脳において強い発現が認められた。DNA-PKcs、Ku、NBS1、ATRなどの蛋白も、胎児期の大脳および小脳の神経細胞に強い発現が認められ、ATMと類似したパターンを示した。このことは、最終分裂後の未熟な神経細胞においてDSBが生じていることを強く示唆するものであり、DSBおよびその修復は神経細胞の発生に重要な意味を持つものと考えられる。ATにおいて、神経症状が発現してくるのは生後1年以降であり、ATMの発現のピークと時間的なずれが存在する。ATMの欠損により胎児期脳でのDSBの修復が不完全であり、それが時間をおいて神経細胞死につながる可能性も考えられる。
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