(1)DTaPワクチンの臨床的・疫学的有効性の評価 北九州市は過去10年以上にわたり同一成分のDTaPワクチンを接種されてきた。同市医師会協力のもと、後方視的および前方視的な百日咳疫学調査を行ってきた。後方視的調査では、DTaPワクチンの有効率は79%であった。ただ、百日咳の診断が臨床診断のみであったため、本年度からWHOの診断基準に従って百日咳の診断を行っている。本年度、同地域には百日咳の小流行が起こり、これまで29例の症例が登録された。菌分離が1症例、対血清で百日咳と診断できた症例が1例確認された。今後も更なる症例の集積と解析を継続していく予定である。 (2)効果的な接種法に関する研究:第2期接種のワクチンの再検討 年長児や成人へ現行のDTaPワクチン接種し、その安全性と有効性を検討している。これまで10歳代12例、20歳以上の成人43例に接種を行った。局所副反応として5cm以上の発赤・腫脹があった成人が1例、1〜5cmが10歳代に1例、成人1例のみであった。全身性副反応を呈した症例は認めなかった。今後とも症例の集積を行い、安全性と有効性の確認を継続していく。
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