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2000 年度 実績報告書

好中球COX-2誘導の機序とその意義についての分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 11670767
研究機関佐賀医科大学

研究代表者

宮崎 澄雄  佐賀医科大学, 副学長 (80037358)

キーワードCOX-2;cyclooxygenase-2 / TXA2;thromboxane A2 / 川崎病 / 多核白血球
研究概要

COX-2は,発癌物質であるTPAにより誘導される遺伝子群(TPA-induced sequence;TIS)のひとつとして1990年初期に発見され,関節リウマチ等の炎症性疾患でmRNAや酵素蛋白量の発現が上昇していることより,主に炎症の機序に関与していると考えられている.我々は,昨年度までの研究で化膿性髄膜炎等の重症細菌感染や,強い炎症所見を示す川崎病で,多核白血球(PMN)のCOX-2mRNAが強く誘導され,外的に投与したLPSでも同様の機序が存在することも明らかにしてきた.川崎病の冠動脈病変の機序のひとつにPMN産生elastaseによる血管傷害が考えられるが,このelastascの抑制を目的にelastase阻害剤ulinasatinを治療に使用している.今回,川崎病急性期の患者のPMNで誘導されるCOX-2mRNAに対するulinasatinの効果を検討し,その作用機序について解析をおこなった.PMNの90%以上は好中球からなるが,好中球におけるCOX-2の最終産物としてはPGE2とTXA2がその主なものである.TXA2は強い血小板の凝集作用を有し,血管病変の進展に関与していると考えられる,川崎病の急性期にはPMN産生TXA2(安定代謝物TXB2をRIAで測定)は著明に上昇した.これはCOX-2のmRNAの誘導によるものであることが明らかとなった.Ulinastatinの投与により,COX-2mRNAの発現は明らかに抑制され,同時にPMN産生TXA2値も有意に抑制された.これはUlinastatinの新しい薬理作用であり,本来のelastase阻害剤としての作用に相加的に作用するものと考えられる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Zaitsu M et al: "Vlinastafin, an elasfase innibitor, inaibifs the increased in RNA expression of prostaglandin H2 synthase-fype 2 in Kawasaki disease"J.Infecfrous Dis. 181. 1101-1109 (2000)

  • [文献書誌] Zaifsu M et al : "New inducfion of leukotriene A4 by inferleukin-4 and infer leukin-13 in human polymorphonuclear leukocyfes"Blood. 96. 601-609 (2000)

  • [文献書誌] Hamasaki Y et al : "Magnolol inhibits leukofriene synthesis in rat bosophilic leukewia-2H3 cells"Planta Med. 65. 222-226 (1999)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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