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1999 年度 実績報告書

小児期のTT virusの病態と感染経路に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670776
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

杉山 幸八郎  名古屋市立大学, 医学部, 講師 (60117827)

キーワードTTvirus / 遺伝子解析 / 母子感染 / 非A-C型肝炎 / 小児
研究概要

小児期のTTウイルス感染の病態と感染経路について検討した.
1)小児期の肝炎とTTV感染について輸血歴を有する38例,輸血歴および肝炎歴の無い30例(コントロール群),B型肝炎の16例,C型肝炎の14例,非A-C型肝炎の45例(急性肝炎27例,慢性肝炎13例,劇症肝炎5例)を対象とした.輸血歴を有した群でのTTV DNA検出率はOkamotoらの方法では31.6%,Takahashiらの方法では78.9%,コントロール群ではそれぞれ6.7%と60%であった.また、妊婦はそれぞれ12.9%と61.3%であった。コントロール群と比較すると、Okamotoら方法では輸血歴を有する群は明らかにTTV陽性率が高かった。しかしTakahashiらの方法では明らかな差は認めず、それらの陽性率は60%から82.4%の範囲の値であった。B型肝炎群ではOkamotoらの方法で0%,Takahashiらの方法では50%,C型肝炎群ではそれぞれ21.4%と71.4%,非A-C型肝炎群では20.0%と57.8%であった.Takahashiらの方法でのTTV DNA検出率はOkamotoらの方法の約2-9倍で,各肝炎間で差は無かった.
2)小児のTTV感染経路について慢性B型肝炎の1例(家系1),B型肝炎ウイルスキャリア妊婦より産れた3例(家系2-4)およびC型肝炎ウイルスキャリア妊婦より産れた1例(家系5)の児およびこれらのうち3例に認めた同胞が各1人,1人,2人あった.4例の母親(家系5の母親は未検査)と1例の父親(家系1)についてTTV DNAを検索したところ2例の母親(家系2と3)が陽性であった.同胞間で塩基配列(222塩基;Okamotoらが報告したN22クローンのnt1959-2180)の相同性を検討すると,家系1-3ではそれぞれ100%,99.5%および92.3%であった.一方,家系2と3の母子間での相同性は99.5-100%および62.6-63.9%であった.これらのgenotypeをみると,家系1の同胞,家系2の同胞と母親,家系3の母親はgenotype1に,家系4と5の児はそれぞれ2aと1bに分類されたが,家系3の同胞は別のサブグループに分類された.これらの成績からはTTVの感染経路として,垂直感染(家系2)と共に同胞間での水平感染(家系3)が生じている可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Goto K,Sugiyama K,et al.: "Detection Ratas of TT Virus Among Children Who Visited a General Hospital in Japan"Journal of Medical Virology. 57. 405-407 (1999)

  • [文献書誌] Sugiyama K,Goto K,et al.: "Route of TT virus Infection in Children"Journal of Medical Virology. 59. 204-207 (1999)

  • [文献書誌] Sugiyama K,Goto K,et al.: "Prevalence of TTV DNA Among Children With a History of Transfusion on Liver Disease"Journal of Medical Virology. 60. 172-176 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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