研究課題/領域番号 |
11670788
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
井田 博幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90167255)
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研究分担者 |
長谷川 頼康 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60256435)
大橋 十也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60160595)
大野 典也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60147288)
衛藤 義勝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50056909)
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キーワード | ゴーシェ病 / 酵素補充療法 / 遺伝子変異 |
研究概要 |
ゴーシェ病は発症年齢及び神経症状の有無により1型、2型、3型に分類される。酵素補充療法はゴーシェ病の根治療法として臨床的に用いられているがその至適投与量についての一定した見解は確立していない。そこで今年度は日本人の小児期発症の1型ゴーシェ病13例について60単位/kg/回を初期投与量としてこの投与量を36ケ月継続した群(L-群)、60単位/kg/回を6ケ月投与しその後30単位/kg/回を6ケ月投与し、ついで15単位/kg/回を維持量として24ケ月継続した群(M-群)、60単位/kg/回を6ケ月以内に減量し以後15単位/kg/回を36ケ月まで継続した群(S-群)の三群に分類して臨床効果(ヘモグロビン値、血小板値、ACE値、酸性ホスファターゼ値、身長、体重)を比較した。 治療前と36ケ月後の比較ではどの群においてもこれら臨床データは改善していたがすべてのデータが統計学的有意差をもって改善していたのはL-群のみであった。さらに各群の治療開始後一年、二年、三年時のデータを比較検討するとヘモグロビン値についてはL-群とS-群及びM-群ではL-群の方が統計学的有意差をもって改善が著明であった(L-群対S-群:一年、二年、三年時、L-群対M-群:三年時)。血小板値については三年時にL-群はM-群に比較して統計学的有意差をもって改善が著明であった。ACE値並びに酸性ホスファターゼ値は投与量依存性に改善が著明であった。 以上のデータから重篤な小児期発症のゴーシェ病においては十分な臨床効果及びその状態を維持するには高単位しかも長期の酵素補充療法が必要であることが明らかとなった(Eur J Pediatr160:21-25,2001)。
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