研究課題/領域番号 |
11670792
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
五味淵 一三 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50205621)
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研究分担者 |
岩澤 京子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10301524)
大橋 十也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60160595)
衛藤 義勝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50056909)
小林 博司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90266619)
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キーワード | 遺伝子治療 / ミクログリア / Twitcher マウス / アデノウイルスベクター |
研究概要 |
脳に障害をもたらす先天代謝異常症としてはKrabbe病を代表とする脱髄性疾患、ゴーシェ病を代表とするリピドーシスそしてSly病(ムコ多糖体蓄積症7型)などがある。これら疾患に対しては現在発症後は根本的治療が存在していないのが現状である。しかしながら、一部の疾患に関しては発症前に骨髄移植を行えば神経症状の進展は防げることが明らかとなっている。このデータから推察すると骨髄由来のミクログリア細胞(マクロファージ)が脳血液関門を通過し脳に定着し酵素を産生し、脳障害の原因となっている原因物質の蓄積を防ぎまた蓄積物質を除去していることが考えられる。そこで今年度は遺伝子導入したマクロファージを無処置のSly病の動物モデルに経静脈的に投与しその効果を生化学的、病理学的に検討した。 遺伝子導入はレトロウイルスベクターを用いて行い、導入細胞であるマクロファージはFACSによるソーティングで集めた。投与38日後においてSly病の欠損酵素であるグルクロニダーゼ活性陽性細胞が脳内に認められ病理学的改善も優位であった。以上のデータはマクロファージの移植はSly病の治療に有望な治療法であり、体外遺伝子治療の標的細胞としてマクロファージは適していることを示していると考えられた(Blood 95:3631-3633,2000)。
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