研究課題/領域番号 |
11670798
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
麦島 秀雄 日本大学, 医学部, 教授 (80183648)
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研究分担者 |
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50179991)
陳 基明 日本大学, 医学部, 助手 (50277422)
相沢 信 日本大学, 医学部, 教授 (30202443)
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キーワード | 臍帯血 / 造血幹細胞 / 生物学的特性 / ヘマンジオブラスト / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
平成13年度の研究は臍帯血のCD34+TIE+細胞、CD34+TIE-細胞、CD34+TEK+細胞およびCD34+TEK-細胞のin vivoでの造血再構築能とCD34+TEK+細胞およびCD34+TEK-細胞のin vivoでの血管内皮分化能について検討することを目的とした。その結果を下記に示す。 CD34+TIE+細胞、CD34+TIE-細胞、CD34+TEK+細胞およびCD34+TEK-細胞のin vivoでの造血再構築能 Lin-CD34+細胞をTIEまたはTEKの発現強度によりCD34+TIE+細胞・CD34+TIE-細胞分画、CD34+TEK+細胞・CD34+TEK-細胞分画に分け、それぞれ1.0x10^4個の細胞をNOD/SCIDマウスに移植した。移植16週後に各々のマウスの大腿骨から骨髄を採取し、ヒトCD45陽性細胞をFACSにて解析した。CD34+TIE+細胞移植群(n=3)・CD34+TIE-細胞移植群(n=4)の骨髄中CD45陽性細胞はそれぞれ1%以上であり、全例生着を確認し、差は認められなかった。また、CD45陽性細胞におけるLineageの解析では、TIE-・TIE+細胞とも、骨髄系細胞・B細胞およびCD34陽性細胞が認められた。CD34+TEK+細胞移植群(n=5)では全例CD45陽性細胞は1%以上であり生着が確認された。CD34+TEK-細胞移植群(n=6)では3例のみCD45陽性細胞は1%以上であり、50%の生着率であり、TEK+細胞にSCID repopulating cellが高頻度に含まれることが示唆された。また、生着したマウスのCD45陽性細胞におけるLineageの解析では、TEK+・TEK-細胞とも、骨髄系細胞・B細胞およびCD34陽性細胞が認められた。生着したNOD/SClDマウスの骨髄細胞のクローナル培養では、いずれも混合コロニーを含む多数のコロニー形成がみられた。 CD34+TEK+細胞およびCD34+TEK-細胞のin vivoでの血管内皮分化能 8-10週齢のNOD/SCIDマウスの大腿動静脈を結紮後、蛍光活性化細胞分離装置によって分離された1.0x10^4個のCD34+TEK+細胞およびCD34+TEK-細胞を尾静脈より注射した。移植6週間後、虚血部位の平滑筋をhCD31(DAKO社),VE-cadherin(PharMingen社)を用いて免疫染色し、顕微鏡下で血管内皮への分化を検討したところヒト血管内皮細胞の存在を確認した。 また、同結紮後移植NOD/SCIDマウスの肝臓をcollagenase-Yakuruto(ヤクルト)を用いて還流し、得られた細胞を遠心分離して血管内皮細胞分画を回収した。20%FCS,VEGF 10ng/mLにM199-medium(GIBCO)を加えて1.5mLとして、collagen I coat plate(FALCON社)上で培養した。培養は37℃、5%CO_2、湿度100%の条件下で行った。培養7日目にDil-Ac-LDL(bti)5μg/mLを加え37℃6時間反応させ、その後hCD31-FITC(PharMingen社)を1時間反応させ、蛍光顕微鏡下で観察したところ、ヒト血管内皮細胞の存在を確認した。
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