研究概要 |
1)COL7A1プロモーター領域のクローニング及びCOL7A1ルシフェラーゼベクターの調整 既に申請者が調整し,各実験に用いていたCOL7A1プロモーター領域(-722/+92)よりも更に上流領域を含むクローンを得るため,ヒトgenomic DNAライブラリーを用いてスクリーニングを行った。その結果-2903を5'末端とするクローンを得て,これをインサートとしたCOL7A1ルシフェラーゼベクターを調整した。またこのベクターを用いて様々なサイズのdeletion mutantも調整した。 2)各種サイトカインによるCOL7A1の発現調節機構の解析 上記ベクターを用いたルシフェラーゼアッセイ法とゲルシフト法から再度COL7A1のプロモーター領域を詳細に解析した。その結果以下のことが明らかになった。 (1)TGF-β及びTNF-αによる転写調節:ヒト皮膚線維芽細胞をTGF-β及びTNF-αで刺激すると,Smad3,Smad4及びNF-κBがそれぞれ誘導される。これらはそれぞれのCOL7A1プロモーター領域の各応答配列に結合し,しかも相加効果を有しながらCOL7A1の発現を促進することを明らかにした。また新たに,TNF-αによってCOL7A1の発現を抑制するサプレッサーとしての応答配列を見出した。 (2)IL-1βによる転写調節:今回新たにサイトカインIL-1βがAP-1を誘導し,これがCOL7A1のIL-1β応答配列に結合し,プロモーターレベルでCOL7A1の発現を促進することを明らかにした。
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