研究概要 |
これまでフィラグリン蛋白は表皮細胞の最終分化段階である角化(特殊なアポトーシス)に重要であるらしいことが報告されている.申請者らは,表皮細胞の分化を研究する目的で,フィラグリン欠損マウスの作製を計画している.フィラグリン蛋白は320個程度のアミノ酸からなり,このフィラグリン単位が約20回ほど繰り返し配列した巨大なプロフィラグリンの分解産物である.フィラグリン欠損マウスを作製するためには,プロフィラグリン遺伝子を破壊する必要があり,そのためには繰り返しフィラグリン単位よりもプロフィラグリンの転写開始コドン周辺を含んだ遺伝子がより望まれる.この一年間,報告されているヒトのプロフィラグリン上流域のcDNAをプローブとして,マウスBACゲノムライブラリーをスクリーニングし,1クローンを得た.現在、このクローンからターゲティングベクター作製に必要な遺伝子断片をプラスミドにサブクローニング中である.今年度はターゲティングベクターの作製,フィラグリン^<+/->ES細胞の樹立,キメラマウスの作製を予定している.
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