研究概要 |
TGF-β,PDGF,IL-4等のサイトカインはプロコラーゲン合成亢進をきたし、強皮症の皮膚病変に存在する。これらサイトカイン受容体からの情報伝達経路はPDGF-BB,TGF-β,IL-4によりp38MAPKはリン酸化を受け、 p38MAPKの特異的阻害剤は,procollagen α1(I)mRNAの発現を抑制し,interstitial collagense mRNA発現を増強させた。 HVJ-liposomeを用いたデコリン遺伝子導入により、腎硬化症や肺線維症は臓器線維化の抑制効果が報告されている。そこで,ヒトの強皮症のモデルマウスとされるtight skin miceに、デコリン遺伝子をHVJ-liposomeにより皮内投与し発現させた。マウスのデコリン遺伝子の発現プラスミドを作成し,これを293T細胞に発現させ,培養液中にデコリンが分泌されることを抗デコリン血清により確認した。次に3'末端にc-mycエピトープを付けたマウスのデコリン遺伝子の発現プラスミドを作成し,同細胞に発現させ、エピトープを付けたデコリンが培養液中に存在することを抗デコリン血清と抗myc抗体とを用いて確認した。 Ehlers-Danlos症候群類似の皮膚にデコリン欠損を見いだし、培養線維芽細胞のデルマタン硫酸合成の極度の低下を確認し、デコリン遺伝子の発現の低下、バイグリカン遺伝子の上昇を見いだした。
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