マウス表皮に存在する樹枝状表皮T細胞は、Vγ3-Jγ1/Vδ1-Dδ2-Jδ2の組合せからなる多様性のない単一のγδT細胞レセプターを発現する。Vγ3T細胞は胎生期に胸腺で分化し皮膚に遊走するが、成熟マウスでは表皮のみに選択的に局在し、樹枝状表皮T細胞と同一のT細胞レセプターを発現するT細胞はリンパ組織や皮膚以外の上皮組織には存在しない。本研究により、樹枝状表皮T細胞の前駆細胞は胎生期には皮膚以外に腸管にも遊走するが、生後は皮膚でのみ生存・増殖することが明らかになった。Vγ3T細胞レセプターの認識するリガンドは皮膚のみで発現していたことから、均一な表皮内γδT細胞レパートリーは自己リガンドを認識することによってVγ3T細胞レセプターから伝達されるシグナルを介した末梢での選択により形成される可能性が示唆された。
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