研究課題
昨年度は、瘢痕性類天庖瘡患者の自己血清の標的分子である5型ラミニンα鎖を断片として真核細胞で発現させた。この組換え蛋白を患者血清とともに用いて免疫沈降法をおこなったが、そのうちいくつかの断片の発現量が少なく特異的沈降を検出するのが困難であった。そこで本年はα鎖cDNAをin vitro transcription/translation反応で発現することにした。すなわち比放射活性の高く且つnativeな立体構造を保ちうる状態で組換え蛋白を得られると考えた。これらの発現蛋白を患者血清との免疫沈降法に用いたところ、α鎖のN末を構成するペプチドに対して反応する血清が多い傾向が見られた。α鎖の細胞接着機能に関与するのはC末と考えられており、本文視の免疫原性と機能は一致した局在を示さない可能性が示唆された。今後は組換え蛋白や患者血清と同様の反応性を有する抗血清を表皮角化細胞培養系に添加した状態でのへミデスモソーム形成を検討する予定である。
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