研究課題/領域番号 |
11670824
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森 聖 名古屋大学, 医学部, 講師 (60260593)
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研究分担者 |
岩井 昭樹 名古屋大学, 医学部, 助手 (10311713)
富田 靖 名古屋大学, 医学部, 教授 (70108512)
宮村 佳典 名古屋大学, 医学部, 助手 (50272034)
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キーワード | 遺伝性対側性色素異常症 / 季節変動 / 連鎖解析 / 常染色体優性遺伝 |
研究概要 |
遺伝性対側性色素異常症(Dyschromatosis Symmetrica Hereditaria)は、手背、足背等、四肢末梢部に粟粒大または半米粒大の色素斑及び、網状または斑状の脱色素斑が混在する臨床症状を呈する遺伝病である。遺伝様式は浸透率ほぼ100%の常染色体優性遺伝であることが分かっているが、原因は不明で有効な治療法も無い。本研究では、DSH原因遺伝子の座位を決定するため連鎖解析を行い、それと平行して本症の病態解明を試みた。 本症を持つ3家系の患者、健常人の計75名の血液から染色体DNAを抽出し、マイクロサテライト・マーカーと本症との連鎖解析を行った。その結果、LODスコア3を越える候補領域が捕まった。現在その領域の確認および領域範囲の縮小を試みている。 本症は手背、足背に半米粒大の色素斑及び、網状または斑状の脱色素斑が混在する。これらの斑が紫外線などによって増悪するのか、どの様な因子により拡大、縮小するのか、などの病態を調べた。患者の発疹部を3月と9月に写真撮影し、フィルムをスキャナーを用いて画像ファイルとしてコンピューターに取り込み、コンピュータープログラムのphotoshopを用い、色素斑、脱色素斑の面積及び濃度を定量した。その結果冬期に比べ夏期では色素斑部の面積が拡大し、脱色素斑部の面積は減少した。また正常部位の色素濃度は夏期に有意に増加した。今までに報告されていた本症の夏期における増悪は、脱色素斑部と正常部位のコントラストが強まると同時に、色素斑部の面積が拡大することによることが明らかとなった。
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