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1999 年度 実績報告書

表皮特異的遺伝子破壊法を用いた皮膚におけるSTAT3の役割の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11670828
研究機関大阪大学

研究代表者

佐野 栄紀  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80273621)

研究分担者 吉川 邦彦  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20110851)
板見 智  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30136791)
キーワード表皮角化細胞 / Stat3 / シグナル伝達 / 成長因子 / 遊走 / 創傷治癒 / 毛周期 / 潰瘍形成
研究概要

Stat3(Signal transducer and activator of transcription 3)は細胞質内に存在する蛋白質でありIL-6,EGFやHGFなど多彩なサイトカインや成長因子により活性化したのち核に移行し様々な遺伝子の発現を誘導する。Stat3はすべての細胞に存在し,シグナル伝達に重要な働きをしているが,通常の遺伝子破壊法によって胎生致死となるために個々の細胞,臓器におけるin vivoでの役割は解析できなかった。そこで今回我々は,皮膚におけるStat3の生物学的役割を明らかにするために,組織選択的に特定の遺伝子を破壊する方法(Cre-loxP)を用いることにより,角化細胞特異的なStat3ノックアウトマウスを作製した。このStat3ノックアウトマウスは正常に誕生し,皮膚および毛包などの付属器の発生に異常は見られなかった。しかしこのマウスにおいて皮膚創傷治癒の遅延および毛周期の異常が認められた。さらにこのマウスは加齢とともに皮膚に自然発症的に潰瘍を形成し,脱毛をきたす。培養細胞を用いた実験によりこのマウスの角化細胞は成長因子依存性の遊走能に障害が認められた一方、増殖能は正常に保たれていた。以上の結果は,角化細胞Stat3は皮膚および付属器の器官形成に必要ではない一方、角化細胞の遊走に関わるシグナルの伝達に関与し,毛周期や創傷治癒など皮膚の再構築に必須の分子であることを示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sano S.: "Keratinocyte specific ablation of Stat3 exhibits impaired skin remold"EMBO J. 18. 4657-4668 (1999)

  • [文献書誌] Takeda J.: "Conditional gene targeting and its application in the skin"J. Dermatol. Sci. (in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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