研究課題/領域番号 |
11670829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
浅田 秀夫 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60252681)
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研究分担者 |
吉川 邦彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20110851)
板見 智 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30136791)
佐野 栄紀 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80273621)
田村 学 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50273644)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / T細胞 / 樹状細胞 / サイトカイン / アポトーシス / スーパー抗原 / 黄色ブドウ球菌 / 中和抗体 |
研究概要 |
一般にアトピー性皮膚炎(AD)では、Th1/Th2バランスがTh2優位の状態に傾いていると報告されているが、そのメカニズムはいまだ不明である。われわれはT細胞への抗原提示を担っている樹状細胞系の細胞が、Th1/Th2バランス決定の鍵を握るものと考え、この細胞がT細胞機能に及ぼす影響を検討することにより、ADにおけるTh1/Th2のアンバランスの発症メカニズムを明らかにすることを計画した。まず研究対象となるAD患者の免疫状態を把握するため、患者末梢血単核球を用い、ADの増悪因子と考えられている黄色ブドウ球菌由来スーパー抗原(SEB)で刺激を加え、細胞増殖能、サイトカイン産生能を検討した。その結果、重症AD患者では、健常人に比べてT細胞が刺激に対してアポトーシスに陥り易い状態になっていることが判明し、サイトカインの産生については、予想に反してTh1活性だけでなくTh2活性も著明に低下していることが明らかとなった。そしてこのアポトーシスの誘導には、樹状細胞が関与している可能性を見いだした。しかし実際のAD病巣部の浸潤T細胞を調べたところ、アポトーシスはほとんど見られなかったことから、患者血清中にアポトーシスを制御する物質が存在するのではないかと考えた。そこで、患者血清がT細胞の増殖反応におよぼす影響を検討した結果、重症AD患者血清がSEBによるT細胞の活性化を著明に抑制しうることが判明し、この抑制物質がSEBに特異的に結合するIgG抗体であることを見いだした。実際の患者の生体内では、この中和抗体がSEBによるT細胞アポトーシスの抑制ならびにSEBによって引き起こされる炎症反応の制御に寄与しているものと考えられた。
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