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1999 年度 実績報告書

皮膚アレルギー疾患における神経とマスト細胞の相互作用とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 11670832
研究機関広島大学

研究代表者

秀 道広  広島大学, 医学部, 講師 (50284188)

キーワードニューロペプチド / サブスタンスP / マスト細胞 / 皮膚 / 細胞内カルシウム濃度 / 抗アレルギー薬
研究概要

まずNlH3T3線維芽細胞と共生培養したマウス骨髄由来培養マスト細胞(BMMC)を、PD098059またはSB203580の2種類のMAPキナーゼ阻害剤の各々で前処理後、抗原またはサブスタンスPで刺激し、その結果誘導されるヒスタミンおよびLTB4遊離への影響を検討した。その結果、ヒスタミンおよびLTB4遊離はいずれもPD098059により選択的に抑制され、BMMCをサブスタンスP刺激して誘導されるこれらのメディエーター遊離には、抗原刺激の場合と同様にERK-MAPKinase経路が必須の伝達系として活性化されることが明らかになった。次にBMMCを抗原およびサブスタンスPで刺激した際の細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>]i)の変化を解析した。BMMCを、100ng/mlのSCF添加による単独培養、または線維芽細胞との共生培養の条件下で2週間培養すると、いずれの場合にもサブスタンスP刺激による[Ca^<2+>]iの上昇が誘導された。しかしながら共生培養3週後には、ヒスタミン遊離の程度はさらに増加したにも関わらず、([Ca^<2+>]i)の上昇はむしろ減弱し、興味あることに抗原刺激による([Ca^<2+>]i)の上昇もBMMC単独培養時に比べて減弱していることが判明した。このような変化は100ng/mlSCF存在下の単独培養では認められず、また一部の抗アレルギー薬は、抗原刺激による反応には影響を与えることなくサブスタンスP刺激によるヒスタミンおよびLTB4遊離を抑制することが判明した。以上の結果から、線維芽細胞との共生培養によりBMMCが受ける影響は、SCFを介したものだけにとどまらず、またサブスタンスP刺激によるヒスタミン遊離反応には、[Ca^<2+>]iの上昇以外の何らかのエフェクター機能の誘導が関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Osamu Koro, et al.: "Chemical mediators in atopic dermatitis: Involvement of leukotriene B4 released by a type I allergic reaction in the pathogenesis of atopic dermatitis."J. Allergy Clin. Immunal.. 103. 663-670 (1999)

  • [文献書誌] Kiyoshi Furutani, et al.: "Substance P and Antigen induce Release of Leukotriene B4 Prostaglandin D2 and Histamine from Guinea pig Skin by different mechamsms in vitro."Arch. Dermatol. Res.. 291. 466-473 (1999)

  • [文献書誌] 秀 道広、高路 修、山本昇壯: "アトピー性皮膚炎とストレス"アレルギー・免疫. 6(10). 1387-1393 (1999)

  • [文献書誌] 秀 道広 他: "アトピー性皮膚炎に対する民間療法の実態調査"西日本皮膚科. 62. 83-88 (2000)

  • [文献書誌] 山本昇壯、高路 修、秀 道広: "蕁麻疹とアトピー性皮膚炎の痒み"Monthly Book Derma. 30. 25-33 (1999)

  • [文献書誌] 山本 昇壯、秀 道広: "内科医のための皮膚病変のみかた.(蕁麻疹,痒疹)"堀 嘉明 編著.文光堂,東京. 197(151-161) (1999)

  • [文献書誌] 新見直正、他: "皮膚免疫ハンドブック.(蕁麻疹)"玉置 邦彦、塩原 哲夫 編著.中外医学社.東京,. 233(108-115) (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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