研究概要 |
4症例のHermanskyPudlak syndrome(HPS)の患者さんについて、HPS1遺伝子の変異解析を行うことが出来た。症例1(大阪府立母子センター小児科より紹介):全身性白皮症の2歳の患者、出生児に肺出血。現在も皮下出血を起こしやすい。エクソン11の変異のホットスポットにおいて1Cのdeletionがあり、フレームシフト変異をヘテロで持っていた。さらにnon-pathological polymorphismとしてK452KとK454Kの多型をいずれもヘテロで持っていた。症例2(神戸大学皮膚科より紹介):18歳男。全身性白皮症と出血傾向あり。変異解析によりIVS5+5G>A(父親由来)と962-963insG(母親由来)の複合ヘテロ接合体であった。他にnon-pathological polymorphismとして-51C>A,T99T(297C>T),L212L(636C>T),IVS14+7G>C,IVS14+8G>T,P491R(1472C>G)の多型をいずれもへテロでみられた(投稿中)。症例3(福岡徳州会病院内科より紹介):49歳女。全身性白皮症と肺線維症。変異解析によりIVS5,+5G>Aのスプライス変異のホモ接合体であることが確認された。症例4(慶応大学皮膚科より紹介):35歳男の臨床的には典型例。IVS1-9,C>Tのホモの変異を認めるも、50例の正常日本人でのこの変異の検索により、1例のホモ変異を認め、non-pathological polmorphismであることが判明し、この患者はHPS1遺伝子以外のHPS遺伝子の異常が原因ではないかと疑われた。
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