研究課題/領域番号 |
11670849
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
桜井 敏晴 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20101933)
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研究分担者 |
鈴木 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20199334)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
冨田 眞人 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90296608)
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キーワード | HLAテトラマー / HLA-A2 / HLA-A24 / TIL |
研究概要 |
1.今年度は、HLA-A2/gp100(209-217)、HLA-A2/MART-1(27-35)及びHLA-A24/EBV-Pテトラマー分子を作製した。すなわちそれぞれの合成抗原ペプチド(メラノーマ抗原ペプチド(gp100(209-217),MART-1(27-35))、EBウイルス抗原ペプチド(EBV-P))と大腸菌で発現させたHLA-A2あるいはHLA-A24の重鎖とβ2microglobulinを混合再構成した後、Bir A(ビオチン化酵素)でビオチン化し、ゲル濾過とイオン交換クロマトグラフィーにより精製後、ビオチン化HLA/抗原ペプチド複合体(単量体)を得た。単量体をフィコエリスリン(PE)標識したストレプトアビジンに4:1のモル比で結合させ可溶性HLA/抗原ペプチドテトラマー(4量体)を作製した。 2.HLA-A2/gp100(209-217)及びHLA-A2/MART-1(27-35)PE標識テトラマーとFITC標識抗CD8抗体を用い、それぞれの抗原ペプチドを認識する培養腫瘍浸潤T細胞(TIL1520及びTIL1235)を染色しFACS(Fluorescence activated cell sorter)で解析した。その結果テトラマーの用量及びTILの細胞数に依存して2重染色細胞(CD8^+T細胞中の抗原特異的T細胞)の割合が増加し、最大で90%以上の染色を認めた。さらに抗原特異性の異なるTIL(TIL1370)では染色細胞を認めなかった。またPE標識HLA-A24/EBV-Pテトラマーを用いて、EBV-Pペプチドで刺激したHLA-A24のPBMCを染色した結果、EBV-P抗原特異的T細胞を測定できた。 以上の結果より、作製された可溶性HLAテトラマーを用いてHLA-A^*0201とA^*2402拘束性悪性黒色腫抗原を特異的に認識するT細胞の解析及び選択的増殖が可能となった。
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