研究概要 |
サルコイドーシスの皮膚肉芽腫病変で認められる多核巨細胞を免疫組織学的に調べたところ、CD1a^-,CD11a^<low>,CD11b^+,CD14^+,CD16^-,CD36^-,CD45RA^-,CD45RO,CD49d^-,CD54^+,CD62^-,CD68^-,CD106^- and 3A5^<cytoplasmic+>であり、異物型とラングハンス型でその発現形式に差は認められなかった。末梢血単核球のConA刺激培養上清とMDPにて末梢血単球を刺激すると、異物型及びラングハンス型多核巨細胞が形成されるが、その至適条件は、50%のConA刺激培養上清と10μg/ml MDPであり、3〜5日の培養期間をピークとした。新鮮単球の代わりにGM-CSF、IL-4にて得られたimmature dendritic cellsやM-CSFで得たマクロファージを用いると、巨細胞はほとんど形成されなかった。このことから単球がその前駆細胞であることが示唆された。また、表面抗原は、CD1a^-,CD14^+,CD16^-,CD36^-,CD54^+,CD68^-であり、サルコイドーシスの皮膚病変で得た所見と類似し、単球の形質を保持していると考えられた。なお、アンギオテンシン変換酵素も巨細胞の細胞質内に豊富に認められた。細胞外基質の影響を調べると、フィブロネクチンではラングハンス型巨細胞が優位に形成されたが、コラーゲンTypeI、コラーゲンTypeIV、ラミニンでは両巨細胞とも形成が抑制された。また、L型異性体MDPはaduvant活性がなくin vivo投与で肉芽腫形成を誘導しないが、in vitroでのラングハンス型巨細胞も誘導しなかった。
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