本研究はアポトーシスの臨床応用を目的とするが、計画2年目の本年以下のことが明らかになった。 1)Fasリガンドを高発現するメラノーマMeWo細胞にFas(CD95/APO-1:アポトーシス誘導因子)の発現ベクターをin vitroで導入すると、高率に細胞のアポトーシスが誘導された。 2)1)の生物学的意義はMeWo細胞をヌードマウスに移植し担癌マウスモデルを作成し、そのマウスにFas発現ベクターを投与することにより確認された。すなわち、担癌マウスのメラノーマはFasベクターの生体内投与により顕著に縮小した。 3)2)の観察をさらに追及したところ、投与されたFasベクターが腫瘍内Fas蛋白の合成を引き起こし、Fas-Fasリガンドの結合により腫瘍細胞がアポトーシスに陥っていることが観察された。 以上の内容は2000年5月に米Chicagoにおいて開催されたThe Society for Investigative Dermatology(SID)で発表した。また、2000年12月にJournal of Investigative Dermatology誌に掲載された。
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