研究課題/領域番号 |
11670861
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩田 錬 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60143038)
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研究分担者 |
谷内 一彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50192787)
井戸 達雄 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 教授 (80134063)
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キーワード | PET / フルオロベンジルハライド / ポジトロン放出核種 / 放射性薬剤 / F-18 / 標識薬剤合成前駆体 |
研究概要 |
本研究を開始する初年度にあたり、まず研究の骨格を成す^<18>F-フッ素化およびヨウ素化反応を主に検討した。 1. 従来のバッチ的溶液反応で使用される反応基質のtrimethylammoniumbenzylaldehydeを樹脂に固定した新しい前駆体の開発を進めた。合成された樹脂は基質密度が充分高くなく、また^<18>F-イオンとの反応性がほとんど認められなかった。今後、より高密度の基質を有する樹脂を合成するとともに、反応溶媒や温度等の条件を検討する予定である。一方の超原子価を持つヨウ素化合物を前駆体として用いる方法に関しては、今年度は基礎的な検討を行っただけで、実質的な成果はなかった。 2. 生成した^<18>F-標識フルオロベンジルアルデヒドの迅速で簡便なアルコール体への変換反応は、NaBH_4水溶液を用いるオンカラム的な還元法が最も適することが明らかになった。この水溶液中の反応から次の無水溶媒中のヨウ素化反応に引き継ぐため、溶媒中からの効率的な脱水法を検討した。その結果、大量の水をあらかじめExtrelutカラムで大部分除去した後、乾燥剤をつめたカラムを通すオンカラム法を確立した。 3. ^<18>F-標識フルオロベンジルアルコールからオンカラム的に^<18>F-標識ヨウ化フルオロベンジルヘ変換するため、Ph_3PI_2を樹脂に固定化した試薬をまず検討した。この方法では、反応溶媒の乾燥度が反応収率に大きく影響し、現状では再現性良く目的物を得ることはなかなか困難であることが判明した。一方、Ph_3PBr_2をシリカゲルカラムに吸着固定して臭素化を行う方法は、流速に大きく依存するが実現性の高いオンカラム法であると期待された。来年度はこの方法に関して研究を進める予定である。
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