研究概要 |
大脳白質線維の走行を3次元的に解析するために,新たな拡散強調像(diffusion-weighted imaging)の撮像法を開発した.当初は,EPI(echo planar)法による拡散強調像をmulti-shot化することをめざしていたが,ゆがみやartifactの問題を解決できなかったので,CTの原理を応用したradial scanを用いた方法に変更した. 現在normal volunteerを用いて評価を行っており,比較的良好な画質が得られている.すでに断層像におけるカラー表示化に成功しており,超高磁場(3テスラ以上)の装置に匹敵する画像が得られている.しかしながら,新たに放射状のartifactが生じたために,研究の目的としていた解剖学的評価を困難にしている.また,最低でも256回のscanを要するため,一方向にのみMPG(motion proving gradient)をかけた画像を得るのに約10分程度の時間を要する.3次元的な解析を行うには少なくとも3方向にMPGをかけた画像が必要であり,30分以上の検査時間を要することになる.通常の検査に追加するには患者の負担が大きく,臨床応用に踏み切れない状態である. 今後,撮像法を改良するとともに,研究の対象となる疾患を選択しながら研究を進めていく.
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