研究概要 |
大脳白質線維の走行を3次元的に解析するために,CTの原理を応用したradial scanを用いた方法を開発したが,種々の制約のために臨床応用にはいたらなかった,平成12年10月に新たに拡散テンソル画像を用いた3次元画像作成に成功し,現在正常例と臨床例の解析を進めている. 拡散テンソル画像で得られるFA(fraction anisotropy)画像は異方性が強い領域を高信号に描出する,白質線維が同一方向に密集している部分で信号が高くなるので,白質線維束の形態を描出することができる.3mm厚(gap less),128×128 matrixで撮像すると,延髄錐体路,中小脳脚,大脳脚,内包,脳梁,深部白質などが立体的に表示可能となった. 研究当初に計画していた撮像方法を変更する必要があったため,研究の進行が遅れていたが,現在30例を越える正常例と臨床例に本法を施行し,撮像法と画像解析法がほぼ確立された状況にある.今後,臨床例への適応を増やして3次元画像の解析を進めると同時に,他のパラメータの解析を行う予定である.
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