^<18>F-αメチルタイロシン(^<18>FAMT)は、群馬大学医学部薬事委員会および倫理委員会の承認を得て、アミノ酸代謝による潰瘍検索剤およびドーパミン代謝測定に用いられており、精神疾患と、腫瘍の検査を行ってきた。その有用性が確認され、論文1、2)あるいは、米国核医学会等に発表されている。この^<18>FAMTがドーパミン代謝指標として、パーキンソン病あるいはうつ病の精神疾患の診断に利用されてきた。これに対しセロトニン代謝は精神障害(分裂病、うつ病)をよく反映されているといわれるが、ドーパミン代謝とセロトニン代謝による明確な区別がなされておらず、これまでの^<18>FAMTのドパミン代謝測定と比較検討するため、今回セロトニンアナログ標識によるセロトニン代謝のPET画像をえるため、^<18>Fによるセロトニン前駆体であるα-メチルトリプトファンに標識し、臨床応用を目的とした。 5-ヒドロキシ-^<18>Fα-メチルトリプトファンの18F合成が下記の合成法で成功し、その他の不純物から分取精製するため、HPLCカラム分取法を用いて、5-ヒドロキシ-^<18>Fα-メチルトリプトファンを精製している。現在その反応溶媒、反応温度、および反応時間などの調整により、収率を上げているが、^<18>FAMTが40%収率に対し、5-ヒドロキシ-^<18>Fα-メチルトリプトファンは10%を越えた程度で、いまだ動物実験あるいは、臨床応用に十分な収率には達しているとは言えない。今後この収率を上げるべくさらに研究を続ける。
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