研究概要 |
乳癌、前立腺癌からの転移性骨腫瘍では骨髄への転移により、周囲の骨組織の破壊が起きる。修復機序として新生骨の生成が盛んになり化骨が起きる。骨親和性放射性薬剤によるオートラジオグラフィの研究では骨転移部ではなく、その周囲の新生骨にこれらの放身性薬剤が著明に集積することが分かっている。 われわれはヒト胎児頭頂骨から樹立された骨芽細胞(SV-HFO)を10%牛胎児血清含有αMEN培地で培養し、β-glycerophosphate(β-GP), 1, 25(OH)2D3(D3), F6-1, 25(OH)2D3(F-D3)の薬剤がCa-45の骨芽細胞への摂取を増強することを証明してきた。 今回は同じ骨芽細胞(SV-HFO)とαMEN培地にβ-glycerophosphateを添加したものを使用して、相乗効果が報告されているvitamin K2 (K2)がCa-45の摂取にどのような影響を及ぼすかを検討した。 1)K2単独投与群ではCa-45の摂取が対照群(C)と同程度で増強効果は認められなかった。 2)F-D3投与群では有意にC群に比べてCa-45摂取増強効果が認められた(P<0.001)。 3)F-D3+K2投与群でもC群に比べて有意に増強効果が認められるも(P<0.001)、F-D3群と有意さは認められなかった。 K2による相乗効果があった報告もあり、骨芽細胞や培地の違いによる可能性もある。今後の検討すべき課題であろう
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