研究課題/領域番号 |
11670875
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松井 修 金沢大学, 医学部, 教授 (10019961)
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研究分担者 |
真田 順一郎 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (10313652)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | メクリックステント / ステントグラフト / ニチノール / 経皮的血管形成術 / 大動脈瘤 / 人工血管 / 血管内手術 / インターベンショナル・アンギオグラフィー |
研究概要 |
これまでのステントグラフトの基礎実験を継続しながら、大動脈壁に均一に密着し、細径化が可能で、動脈の屈曲に柔軟に対応するステントグラフトの開発を開始した。平成11年度に、新しく考案した、一本のnitinol wireを組紐状に編み大動脈の形状にあわせて円筒型とするシステムのin vitroでの強度試験を実施した。径2-3cmの円筒形の場合は0.30mm径のニチノール線でメッシュ間隔4-5mmで編んだ場合にステンレスワイヤー性の同径のZステントとほぼ同様の拡張力が得られることがわかった。また約8年間に相当する血管拍動数に対応する伸縮試験明らかな断裂や破損は認めなかった。同時にシームレスの円筒状のポリエステル膜を種々作製し最終的に厚さ0.1mm、porosity500-1000の膜が動脈瘤壁にたいする血圧の遮断効果とシステムの細経化には最適であることを確認した。同様のステントグラフトの成犬大動脈内留置試験で生体適合性と開存性は良好であった。手術が極めて危険でかつ困難な破裂の危険の大きいあるいは破裂した大動脈瘤および総腸骨動脈瘤例にたいし十分な説明同意のもとに臨床応用した。いずれも動脈の屈曲や狭小化のために通常のZステントによるステントグラフトでは留置が困難と考えられたものである。従来のシステムに比し16〜18Fのシースカテーテルで留置可能であるという利点が確認された。また、大動脈の屈曲にあわせて形状を変化させうる(形状記憶)点で従来のステントグラフトにはみられない有用性が確認された。全例に留置が可能で修正動脈瘤消失率は約90%であった。本ステントグラフトに起因する合併症はみられなかった。さらにこれらの物理学的性状や動脈瘤の除去能あるいは減圧能を検討するためのモデル回路系(シリコン性の大動脈瘤モデル、接続ビニール製チューブ、加圧ポンプ、動脈瘤内圧測定器による複合体)を作製し、種々の条件下でのパルス加圧による最適システムの検討を施行中である。
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