前年度に引き続き、腹部骨盤放射線照射に伴う下痢に対するレバミピドの効果について検討した。 症例の内訳は、子宮頸癌15例、子宮体癌9例、その他2例、計26例で、全例に、Linac6MV X線にて、前後対向二門、一回1.8Gy、計41.4Gyの全骨盤照射をおこなった。試験方法は封筒法による二群比較試験とし、A群とB群に無作為に振り分けた。A群は、レバミピド(商品名ムコスタ、大塚製薬)を1日300mgで毎食後3回にわけて照射中連日投与をおこなった。B群は非投与群とした。下痢の程度判定は、National Cancer Instituteの副作用判定基準により判定した。A群12例、B群14例のうち、各々Grade0;3例、2例、Grade1;2例、2例、Grade2;6例、7例、Grade3;2例、3例、Grade4;0例、1例であった。両群に有意差はなかったものの、A群に下痢が軽い傾向にあった。また、直腸出血などの重篤な副作用を来したものは無かった。今後さらに症例を重ねていく予定である。 また、現在マウスの腹部にX線による放射線照射をおこなった場合のレバミピドの防護効果に対してマウスの小腸粘膜の病理学的変化および下痢等の腹部症状にについて観察中であるが、現在のところ有意な差は認められていない。
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