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2000 年度 実績報告書

家兎大動脈の動脈硬化巣モデルにおける血管内超音波と病理像との比較

研究課題

研究課題/領域番号 11670903
研究機関宮崎医科大学

研究代表者

田村 正三  宮崎医科大学, 医学部, 教授 (60150439)

研究分担者 浅田 祐士郎  宮崎医科大学, 医学部, 教授 (70202588)
朝戸 幹雄  宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10284829)
キーワード血管内超音波 / 動脈硬化 / プロテオグリカン
研究概要

【目的】血管内超音波(intravascular ultrasound:IVUS)は血管壁の内部構造の観察に有用である。IVUSの動脈硬化性プラークの組織性状の質的診断能を調べる目的で、家兎大動脈に2種類のプラーク(線維性、脂肪性)を作成し、in vivoでのIVUS画像とその病理組織像を対比した。
【方法】家兎の腹部大動脈に、ポリエチレンチューブ(PE60)を2週間留置した後に抜去し、4週間普通食で飼育した群(第1群:n=8)とコレステロール食で飼育した群(第2群:n=8)にプラークを作成し、in vivoにてIVUS(4.5Fr・30MHzアロカ社製)を用いて観察した。動物を屠殺後に大動脈を圧還流固定し、プラーク部より組織標本を作製した。H-EとEVG染色および免疫染色(平滑筋、マクロファージ)を行い、IVUS画像と組織像との対比を行った。
【結果】家兎腹部大動脈には、両群ともに偏心性のプラークが形成され、IVUSでその分布や内部の観察ができた。第1群ではプラークの多くはIVUS画像上で高輝度を示したが、低輝度を示す領域も認められた。組織学的には、高輝度を示したプラークはコラーゲン豊富な線維性プラークであった。また一部にプロテオグリカンに富んだ線維性プラークを認め、これはIVUS画像上の低輝度領域に一致した。第2群のプラークはすべて低輝度を示し、組織学的には脂質を含むマクロファージの集簇からなる脂肪性プラークで、薄い線維性被膜を有していた。
【考察】IVUSは、家兎に作成した動脈硬化性プラークの分布ならびに組織性状の評価に有用であることが示された。脂質成分に富むプラークとプロテオグリカンに富むプラークはいずれもIVUS画像上で低輝度を示し、その判別はできなかったが、両者とも破綻しやすいプラークであることから、IVUSによる心血管イベント予知への可能性が示唆された。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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