研究概要 |
前年度(平成12年度),前々年度(平成11年度)の実験的検討により,経皮的な手技にて脾静脈-左腎静脈間に短経路で形成することが可能であることが判明されたことより本年度(平成13年度)は,家豚8頭を用いてこの短経路が長期的に維持可能か否かを検討する実験を行った。 手技的な理由から実際に経過観察を行い得たものは5頭でこのうち最も長期的な開存が得られたものでも4週間目には閉塞をきたした。剖検にてこの短経路すなわち,金属ステントーグラフト内には著明に肥厚した内膜(新生内膜)の形成がみられ,この発生原因として血栓の付着が考えられた。実験に供した家豚は門脈圧亢進を有しない正常例であり,血栓の付着は脾静脈血流の少なさ及び門脈圧の低さによるものと考えられ,今後は何らかの手段で作成した門脈圧亢進症モデルによる実験が必要と考えられた。
|