密封小線源近傍の2次元線量分布測定のため開発されたTL-シートの性能を明らかにした。 1、TL-シートの空間分解能 X線空間分解能用テスト・チャートを用いて軟X線をTLーシートに照射後、室温で発光するTL光子をフィルムに露光、現像しマイクロ・デンシトメータにより、TLーシートのMTFを求めた。その結果、5%レベルで13line pair/mmとなった。また、2次元読み取り装置固有の空間分解能は、最大20line pairs/mm(25μm)となった。 2、2次元読み取りシステムの不均一補正 X線を一様に照射したTLーシートを読み取り、2次元読み取りシステムの不均一補正のための基礎データを取得した。このデータに基づいて画像処理のソフトウエアを開発し、現在使用している。 3、放射線治療用密封小線源Pdー103、Iー125、Irー192近傍の2次元線量分布 アメリカ(Yale大)との共同研究で、癌治療の臨床で使用している放射線治療用密封小線源Pdー103、Iー125、Irー192の照射実験を行った。これらの各種小線源の上にTL-シートを置き組織等価型Phantomで挟み、線源から1cmで10cGy〜100cGyになるよう照射し、2次元線量分布を測定した。標準線量計LiF(LiFの測定可能な範囲に限られるが)と比較したところ1回目の実験では良好な結果が得られた。
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