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2000 年度 実績報告書

放射線治療による放射線障害発現を予測するための照射前スクリーニング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11670913
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

茂松 直之  慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30178868)

研究分担者 川口 修  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90276428)
石橋 了知  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90286584)
沓木 章二  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00234443)
笠松 智孝  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30317242)
キーワード放射線治療 / 染色体異常 / 全身照射 / 晩期放射線障害
研究概要

【はじめに】X線照射後にヒトリンパ球に発生する染色体異常の、in vitro、in vivoでの定量を試みた。(1)全身照射(TBI)を利用して、線量と染色体異常発生との関係を検討した。(2)TBIを行う前に、患者さんからリンパ球を採取しin vitroでも同様に照射して、染色体異常の発生頻度を定量し、TBIによるin vivoのデータと比較した。将来この手法をもちいて、放射線二次発癌など、晩期放射線合併症の発生を予測、評価できると考える。【方法】TBIは、一回2Gyの照射を、朝夕2回、3日間、計12Gy施行する。照射前および2Gyの照射毎に患者さんから採血を行いPHAを加え培養した。またTBI前に採血した血液を1mlずつ7本のカルチャーフラスコに分け、患者さんのTBIのスケジュールにあわせて実験用X線照射装置で2Gyずつ照射してゆきそれぞれPHAを加えて培養した。48時間の培養の後、コルセミドを添加培養し低張処理を行った。カルノア液で固定し細胞浮遊液とし、スライドグラスに固定May-Gruenwald Giemsa染色を行ったのち鏡検した。【結果】照射線量と染色体異常頻度の関係を検討したが、照射線量の増大に伴いdicentricおよびfragmentの発生頻度は、TBIとin vitroでほぼ同様の増加傾向を示していた。【まとめ】TBI、すなわち生体での被曝とin vitroでのリンパ球照射における染色体異常の発生頻度は、ともに照射線量に伴い増加しており、得られたDose-response curveの傾きも同様の傾向がみられた。このことから、in vitroの実験は、生体内リンパ球が受けた被曝の影響をかなり忠実に再現できると考えられた。リンパ球に残った染色体異常が直接発ガンに結びつくというデータはないが、広島・長崎のデータでは、放射線被曝と白血病の発生に、明らかな相関が認められていることを考えると、今後、放射線治療を行った患者さんのリンパ球染色体異常のデータを蓄積することは、発ガンとの関係を検討していく上で理想的なモデルとなる可能性がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Naoyuki Shigematsu et.al.: "Cell killing and mutation by heavy ion beams"Int.J.Molecul.Med.. (printing). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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