研究概要 |
平成11年度の研究の評価 (1)研究計画の達成:放射線治療を目的に、当科を受診する子宮頸癌患者を対象とし、初診時にBiopsyを行い、検体を-80℃に速やかに保存した。ダイレクトシークエンス法によりPTEN遺伝子のexon1〜exon9の塩基配列の異常の有無を検討した。癌組織からTotal mRNAを抽出し、RNA PCR Kit (AMV)Ver.2.1(宝社製)を用いたRT-PCR(reverse transcriptase-polymerase chain reaction)にてPTENのコーディング領域を増幅した。そのPCR産物をスピンカラム(タネハシ機械社製)で精製後、dRhodamine Terminater Cycle Sequencing Kits,FS(ABI)でシークエンス反応を行った。反応物を再度スピンカラムで精製し、オートシークエンサー(ABI)で電気泳動を行った。現在、20例について解析を行ったが、2例にexon1の塩基配列の異常を検出した。60例の集積があるので、さらに検討を加える予定である。 (2)10q23.3LOHの検討:PTEN遺伝子が存在している10q23.3LOHについて、癌組織と新鮮な血液からDNAを抽出し、マイクロサテライトマーカーを用いてPCR (polymerase chain reaction)を行い、その産物の量を比較してLOHを解析した。-80℃に保存した癌組織と新鮮な血液からDNAを抽出した。各々の領域に存在するマイクロサテライトマーカーに設定した特異的な蛍光標識プライマー(ファルマシア社製)を用いて、ExpandTM High Fidelity PCR Kit(ベーリンガー社製)でDNAを増幅させた。10q23.3遺伝子に存在するマイクロサテライトマーカーの特異的なプライマーはD10S215,D10S541,D10S608,D10S610,D10S169を用いた。PCR産物を熱変性にて一本鎖にし、オートシークエンサー(ファルマシア社製)で電気泳動を行った。現在、10q23.3LOHの検討は3例に行い、今後、検討する予定である。
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